ハラスメントする人が加害者で、される人が被害者なのはその通りですが、ハラスメントをする人がのべつまくなし、相手を選ばずにハラスメントの餌食にしているのではありません。そんなことはあり得ない仮定です。

つまりハラスメントを受ける被害者になってしまう人は、標的として選ばれているという側面を持っているのです。そのような標的として選ばれるのは名誉なことではありませんので是非、標的にならないように自衛して頂きたいと願うのです。

周囲で仲間はずれを作らないのは自分自身のためです。人がグループをつくると必ず、親しい人とそうでもない人の群れができます。偶数なら半分に分かれるそうで、問題は表面化しにくいそうですが、問題は奇数人数の場合です。

短期間なら別ですが、一人をどこかから探してきてでも、偶数のグループを作るようにしましょう。つまりグループ内での孤立はなんとしても避ける必要があるのです。

また仲間はずれになってはいけません。どのような集団であっても必ず孤立を避けられるはずです。少なくとも全体に15%程度の味方はいます。6人が集まれば、1人はそこに仲間ができる計算になります。

ビジネスの世界では最低限のルールがあります。これを冒すとハラスメントの対象になっても仕方がないかも知れません。礼儀正しく報連相することです。報連相は最低限のコミュニケーションです。

相手の上司がたとえ悪魔であっても、最低限のコミュニケーションが必要です。これを断ってしまうのは自殺行為です。相手が生理的に不快であるなら、できる限り効率化して接触の機会を減らす工夫をすれば良いのです。

コミュニケーションを断つのがそれほど容易ではないのが普通の状況でしょう。そのような状況で不完全なコミュニケーションを取ってしまうのは逆効果になってしまうからです。相手はもっとコミュニケーションの必要に迫られているかも知れないのです。

あるいは窮鳥懐に入れば、漁師もこれを撃たずの心は対ハラスメントに応用できる原理ですが、窮鳥にも礼儀があるはず。立派に威張っている窮鳥などありえません。ハラスメントの危険を感じた時ほど、普段より自分の礼儀やマナーに気を使いたいものですね。

弱い者を守るのが正義である、という日本の伝統意識をご存じでしょう。日本人には伝統的に判官贔屓という感覚があります。それは若い人も共有しているようです。それは負け戦を戦うヒロイズムと表現できるように、強気を挫き弱気を助けるのは格好が良いという感覚が根付いているからです。

時間厳守の価値は大きいという事実を忘れないようにしましょう。信用は一撃で壊れるが、築くのには時間が掛かるからです。先行投資としての信用を使い果たしてしまうのは、一瞬です。それ以降は自分で信用を回復する努力が必要になります。

またコンテキストを把握するのに心を配ると孤立を避けるのに役立ちます。何が問題になっているのかを考えて主題を捉まえるのはもちろんですが、周囲の噂話に注意を払います。

周囲の悪意を前提してはならない
自信がないと不安が強まり、敵意を感じる
自分の時間を価値あるものにして有意義に生きる

優等生を気取れば、ハラスメント対象として充分ですよ。ですから意図的にプライベートな弱点を演出するくらいが良いのです。完全を装うと攻撃対象になりにいくようなものです。たしかに高い評価は受けたいけど、人間味を忘れてはいけません。きっと人間味とは不完全さのことではないでしょうか。

不完全こそ相手は親近感を覚えるといいます。不完全な人に安心できるのです。不完全なのに一生懸命している姿に親近感を覚えるというメカニズムがあるのです。