ハラスメントはどこにでもあります。未然を考えに入れればどこにでもありえるでしょう。確かにハラスメントが問題になっていない集団はいくらでもあります。むしろそのようであるのが大多数です。しかしあえてここで、集団のハラスメントを不可避のものだと考えます。

学校、職場、PTAなど組織ができれば、ハラスメントの可能性はあります。いずれも規模が大きい人間の集団です。しかし、ある意味では、それがたとえ家庭であってもハラスメントが生じ得ます。それは人間が2人以上集まれば社会を形成するからです。

小さい規模の社会で生じるハラスメントでは問題解決が難しくなります。ハラスメント行為自体は猿社会でも見られる通り、一種のストレス発散という機能を備えています。そんなことでストレスを発散されたら、実際たまったものではありませんけどね。

つまりハラスメントはストレスで発火するという性質を持っています。ですから結論を簡単にまとめれば、社会的ストレスを解消すればハラスメントは消えてなくなります。先進国では常識になっているこの事実が何故日本では語られる機会が少ないのかわかりりません。

ハラスメント行為の犠牲になるのは所属組織の全員ではありません。全員がが対象になっていないのです。また、すべてのグループでハラスメントがあるというわけではありません。つまりハラスメントは特殊な事態であり、問題が目立ちます。

ハラスメントの対象になったり、被害に遭う人には共通する特徴があります。そしてどのような組織であってもハラスメントの対象になりやすい人が一定数います。それは人の話を理解しない人だそうです。だからといって闇雲に従順な人も同様で、建設的な会話ができない人は相手にストレスを与えるからです。

何よりも大切な護身はハラスメントを受ける前に対象にならないように自衛することでしょう。裏を返せば、ハラスメントの被害を受けてからでは遅いのです。なぜなら被害を受けているなら、社会の場の構造が決定されているからです。場の構造を変化させるのは難しいでしょう。

ですからハラスメントに立ち向かう決意をするのが第一歩です。そのための原則は、「一人で行動しない」です。周囲から孤立していると無力だからターゲットにされやすいです。別の言い方をすればいつも避難場所を確保しておくのです。

ただしハラスメントの加害者を撃退するのではなく、回避するのが最初の目標です。ハラスメントをする人はそもそもなにかの点で強い人ですよね。ですから撃退を目指すと力対力の図は問題をエスカレートさせてしまいます

どんな組織にも群れ(下位のグループ)ができていますから、グループの存在を発見します。命令者と、追従者とを見分けることで支配構造が見えてくるはずです。

その上で支配構造にどこにも所属しない安全地帯を見つけると良いでしょう。安全地帯にはグループを繫ぐ役割がありますので、噂話に耳を傾けたり、上手く立ち回っている人と仲良くなると具体的な助けになります。

あるいは孤立する人同士でグループを作るなどして、とにかく孤立をさけます。このようにして二人きりにならない工夫が力になります。

フォーマルとインフォーマルを意識するとハラスメントの成立構造が明らかになりますが、役職などのフォーマルな役割はインフォーマルの上に成立しています。インフォーマルな関係をコントロールすると孤立しません。

例えば、ある種の情報の発信者になるとインフォーマルでも存在価値が高まりますので、飲み会などインフォーマルな接触を大切にするのが秘策です。インフォーマル関係で弱みを握っている相手にハラスメントはできません。